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​      電動飛行機

電動飛行機はエンジンより手軽

 何年か前に280クラスの電動飛行機を購入した事がある。 ラジコン飛行機の最初である。本から得た知識では飛行機にはエルロンがあったので、 発泡スチロールの翼をエルロンの線に沿って切り取り、サーボで動くように改造した。 それまでラジコン飛行機を飛ばした事が無かったので、地上でエレベータとラダー、 エルロンの動きを練習した。自分が飛行機に乗ったつもりでのイメージトレーニングである。 エルロンを切ると機体は傾くが同時に降下すると本にあったので、当て舵にエレベータを引く。 こんな具合で地上でのイメージトレーニングに専念した。

 いよいよ飛行である。朝5時に、誰もいない大きな舗装された駐車場に出かけた。 スイッチを入れ、エンジン(モータ)スタートでフル加速した。機体は滑走し5メートルほどであっけなく上昇した。おもちゃみたいな

(おもちゃかかな)飛行機のくせに 「良く飛ぶな!」と思う間もなく30メートも先に行ってしまったので、急いでUターンさせた。イメージトレーニングのおかげか、降下する事もなくUターンは成功した。

 それ以外の操作は判らないので、高度10メートル位で運動会のトラックよろしく、 左右に30メート程で忙しくUターンを繰り返し飛ばしていた。そろそろ電池が無くなりそうなので降ろす事にした。 だが、着陸のイメージトレーニングはやっていなかった。理由は、モーターを切ればスピードも下がり、 降りてくるのは間違いないので、そこまで知恵がまわらなかったのかも知れない。事実、 飛行機は降下を始めた。地上3メートルほどになった。このまま「行けば着陸するな」と思った瞬間、 いきなり路面に頭からおっこちてしまた。発泡スチロールの胴体は前部がグチャンとつぶれてしまった。 ゴム動力の飛行機はそんな事もなくチャンと降りたのに?この現象は「失速による墜落」と言う事を後で知った。

 モータやプロペラやギヤーも損傷し、飛行1回で大破だ。模型店に行ったらモーターやプロペラは 単独でも購入できるそうで注文してもらった。なお、一人で着陸マスターするのは難しいし、どこかに 飛んで行くと危険だからと、RC保険とクラブに入るように勧めれた。RC飛行場の所在地を聞いて見物に行った。 でも電動なんて誰も飛ばしていないのである。飛行場にいた人に聞いたら30クラスからやるのが良いと言われ、 ついでに中古のプロポと飛行機一式を紹介され、以後エンジン機に転向したのである。

 猛暑続きで飛行場に行く元気が無い。不景気で金もない。 暇にまかせてジャンク箱をかき回していたら昔の電動280クラスのギヤーダウンユニットを見つけた。 これを眺めているうちに電動の飛行機をやってみたくなった。モータやマイクロサーボも以前のがある。 アンプもあった。1枚110円の値札のついたバルサ(2×80×600mm)の残材もあるし。 手持ちの材料で出来るだろう。フィルムが無いかもしれないが後で何とかしよう。 今なら失速で墜落させずに飛行させる事が出来るかもしれない。

 でも、おもちゃみたいな高翼の電動は作りたくないな。せめて軽いスタント飛行可能な電動にしようっと。 スタント機なら400クラスのモータが欲しくなるが、景気がわりーし買うのは問題だ。 最近はサーボも受信機も、超小型が発されてる。優秀な電動が希望なら買ったほうが早い。 でも、これを買うと作る楽しみが無くなる。(とは言い訳で金がないだけであるが。) 目的はループ、ロール飛行が出来れば良い、縦物飛行は必要ない。 飛行時間4分は短いので、7から10分を狙う。飛べばの話だが280モータと600mAの電池で何とかならんかな? と、もくろんでいる。自宅近くの条件の悪いところで飛ばすから、破け易いオラライトフィルムでなく普通のフィルムを使う。 脚もいるな、なんて考え

てると280モータでは不安になってきた。実験機に近いので外観形状は凝らない事にした。

 もし、飛ばないならばモータを外し、手持ちの15エンジンにする手もあるし。 この15エンジンも幅400mm全長300mmの自作超小型機に付けていた物である。 この小型機に15のエンジンは申し分ないパワーであったが、何分にも低速飛行が難しく「ぶっ飛ぶ」飛び方でないと うまく操作できないのであった。残念ながらこの機体、受信機トラブルで全速のまま墜落しバランバランになってしまった。 以後、飛行機らしく飛ばすにはある程度の翼の大きさがいる事もわかったので、今度は幅1000mm、長さは800mmを狙う。 てな具合でありあわせの材料を使い極力費用をかけずに、猛暑の中、ビール片手に楽しむ方法をさがしている。

 そんな感じで夏休みに写真のような飛行機を作ったのです。翼の幅は100cm、全長80cmです。 モータは240のギヤーダウンです。電池は8.4V600mAを使います。形は何とかなりましたが、重心が浮力中心と一致してしまいました。 ままよ、何とか飛ぶだろうとテスト飛行にはいりました。結果、浮力中心と重心が一致した飛行機は飛ばすのが難しいです。 エレベータがものすごく良く効きます。そればかりか、エレベータをアップ引くと機体は上昇しますが、 上を向いた飛行機はエレベータを戻してどんどん上昇します。ダウンを打てば逆に下降を続けて飛ばせたものではありません。

 とても飛ばせたものではなく、前に30gほどの錘を載せると幾分素直になってきました。しかし、いかんせん、何時もエンジン機を飛ばしなれていることもあり、飛行感がかったるく気にいりませんでした。
 公園や自宅付近で軽く飛ばしたいとの要求に対しても、電池他でかなりの重量になり人の居ると所で飛ばすのは危険です。電池、モーターも、もっと軽くなり、ロール、ループ位の飛行が可能な電動で、周辺の人に不安感を与
えない飛行機は当分望みなしかもしれません。

 この機体は飛ばしたのは2回で、既にメカを外し、飾り物になっています。そこから約10年後には下の写真にあるような1900mm幅の古典期をつくりました。リラックス飛行にはもってこいで、ゆったり飛ばしています。

脚は猪のほじった穴を超えられるように、後ろに大きく逃げるように​スプリングクッションを採用しました。

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