top of page

​     グライダー

      

1.グライダーの費用は少ない
 RC航空機をやってみたいと思っても、飛行機やヘリは機体や無線機、付帯装置そして飛行場等に費用がかかります。 加えて最初は墜落や着陸時の破損も関係し、修理費用も馬鹿になりません。これらの初期段階を通過してしまえば、 弁当と少々の飲み物と、燃料だけで、大の大人が1日中遊べるので非常に経済的な遊びではあります。 しかし、そうなる前に止めてしまう方も結構おります。 初めてRC航空機を志す方にお勧めできるのがグライダーです。

  手投げで飛ばしたり、ゴムでひっぱり上げたりして飛ばします。何だ子供遊びかと思われるかも知れません。 事実、私も最初はそう思っていました。今年、我々のクラブでグライダーの大会を開催する事になり、 日頃スタント機やヘリしか飛ばしていないベテランもグラーダーをやる事になりました。 味見という事で、グライダーの先生の機体をお借りし、 スタント機の達人が始めてグラーダーを操縦したところ、前後にピッチングを起こし見られた物ではありません。 そんな馬鹿なと今度はヘリの達人が挑戦したのですが、これまた前後にピッチングを起こし危うく壊すとこでした。 私も飛ばさせてもらいましたが、壊さなかった程度です。全員「ム、ム、ム!!」「グライダーは面白い!!」 と言うのが印象です。全員の感想は「子供の遊びと馬鹿にしてゴメンなさい」といった感じでしょうか!

 

2.ロッキーⅢの機体組立と飛行準備
 先生のお気に入り、お勧めの初心者用ハンドランチグライダーを購入しました。形は本ページ右上の写真中央の機体と同型です。 私を含め10名が先生のお得意先から購入して頂いたのです。 購入した機体は半透明のオラカバライトのフイルム張り完了状態で、価格は2万円弱でした。 主翼の中央をグラステープで補強し接着することと、水平と垂直尾翼の接着だけです。あとは、サーボを入れリンケージをします。 リンケージはアルミ製の長さ15mmほどのアジャスタが付属しており、ヒンジと、サーボからのピアノ線をアジャスタに入れ、 長さを調節したのち、芋ネジで2本を固定するので簡単です。

 先日グライダー先生の機体でチョコっと練習した時に、エンジンヘリの操作が身についてる関係で、一生懸命エンコンやラダーを 操作したのですが反応はありませんでした。グライダーは右のステイックの左右を(飛行機ならエルロン)で、ラダーを操作するそうです。 そこで、右ステイックのエルロンを操作しても、左ステイックのラダーを操作しても、 グライダーのラダー(垂直尾翼)が作動するように送信機でミキシングをかけました。 こうしておけば、上手になった時には左手だけで操縦できるようになるはずです。

 電池は子供用フリーフライト機に入っていた110mA。電池のコネクタを双葉用に変更し前部に入れました。 受信機は飛行機に使っていた双葉のFM5チャンネルが入りました。重心位置を確認した結果、設計図面どうりの位置となります。 でも、グライダーの先生いわく、設計図より3~5mm前の方が初心者向きとのアドバイスがあり、 迷う事なく10gの重りを先端部に追加として入れました。この状態で水平に手投げし、エレベータのトリムを合わせます。 「ちょん」と軽く水平に投げるだけで、スーと10mくらい飛ぶので、さすがグライダーです。 もし、エンジン機をこんな調子で投げれば「どで」と足元に落ちる事間違いなしです。

 「ハンドランチ」は手投げ用の機体ですが、何故かゴムで引っ張るフックの部品も入っています。 その理由は;下手な人は手投げでサーマル(上昇気流)を捕捉するのが難しいからと先生は説明していました。 そう言えば、機体の取り

扱い説明図面にサーマルの絵とか捕らえ方の説明があり、サーマルには渦巻き状の図が書いてあります。

しかし、飛行場でサーマールに乗ったグライダーの近くに、サーマルの絵の様な竜巻みたいな線はもちろん気流も見えません。 つまり、どこにあるか解からんサーマールを探す、パチンコのフィーバーを予測するような楽しみもあるよう

です。 あるか?ないか?解からんサーマルに向かって初心者がグライダーを投げ続け、 翌日に筋肉痛にななり仕事に支障が出るのを防ぐためゴムで引っ張るそうです。 お金のある人はモーターグライダーにする方法もあるそうですが、電池とモータ等で重くなるので、ロッキーⅢのようなハンドランチが本来のグライダーの醍醐味を味わえるそうです。

3.飛行練習
グライダーを引っ張り上げるのは、5m位のゴム紐の先に、10m位の凧糸のついた物です。先端には金属製の輪(キーホルダ流用) があり、これをグライダーのフックに引っかけて、全体で20mほどに引き伸ばします。私がグライダーを離すと「ビーン」と上昇し、 機速が上がると同時に垂直上昇し、その後は勝手に宙返りしてしまいました。ゴムで引っ張る途中は「エレベータダウン打て」と 先生が叫びましたが、既にグライダは紐から離れていました。そんな事は離す前に言うべきでしょう。ね!皆さん。

 今度は引っ張てる最中はダウンを打つ事を心がけ再挑戦です。手を離れたグライダーは飛行機の離陸みたいに飛んで行き、 まだゴムが縮みきらないのに、縮むゴム紐を追い越し、すごいスピードでゴムから離れました。 先生は「低過ぎる45度で上げるのだ」と叫びます。 45度で上昇させ、頂上で水平飛行になるような曲線にエレベータをコントロールするのが非常に難しい。紐から早く外れたり、 いつまでも紐を引きずったりしてなかなか上手にできません。もし手投げしてたら明日は本当に休みになります。 ゴムで牽引している時間は1秒~1.5秒位でしょう。 その間にエレベータを微妙に操作して綺麗な曲線で上げねばなりません。この間における信号伝達は、目、神経、脳、判断、神経、 筋肉、指、テイック、送信機、電波、受信機、サーボモータ、リンケージ、エレベータと伝達されます。上昇する僅かな間に、 グライダーの姿勢を確認し何度かフィードバックかけねばならないから、痴呆になんかなってる暇はありません。 動作は違うのですが拳銃の早撃ちが0.3秒とすれば、これを3~4回繰り返す反射神経に等しいと思います。

 久しぶりに来た当飛行クラブの会長S社長が、グライダーの持ち主のH氏のプロポ(送信機)を使って操縦に挑戦した時の事です。 ゴム紐に引かれたグライダーは綺麗な半円を描いて、紐から離れないまま畑に頭から突っ込んでしまいました。 「H氏は上に上がったらエレベータアップ」にとアドバイスしたのですが、2回目も同じように頭から畑に。 見かねてH氏は「こうやるんだ」と目一杯ゴムを引き伸ばし、「勢い良くスタート」したグライダーはそのまま勢い良く路面に頭から。 硬い路面に激突したのですが、翼の付け根が少しつぶれただけで傷は軽微です。これも軽いグライダーゆえの利点でしょう。 もし、エンジン機があんなスピードで激突したら完全にボロクソになります。

 プロポのアンテナを収納し、農道に落ちたグライダーを回収し、例の如く「原因調査委員会の開催」です。 電池は?クリスタルは?サーボは?断線や接触不良は何処も悪くありません。 自称原因分析のプロが見ても機体には何ら異状は見られません。暫くランニングテストや、 ショックテストをしてみたのですが原因不明です。

 次の日も2月にしてはぽかぽか陽気でグライダー日和です。飛行場にはロッキー他10機が集合して練習していました。 S社長もH氏も来ています。H氏に昨日のグライダーの「墜落原因解かったの?」と質問したら「わかんない」と、 例のプロポのアンテナを伸ばしながら返事をした時の事です。アンテナが「スポン」と抜けてしまったではありませんか。 H氏は「やや!!」と言うなり、S社長に向かって「Sさん、昨日アンテナ抜いたでしょう??」と詰問したのです。

 社長の返事は「そう言えば昨日伸ばした時に抜けたけど、そのプロポはアンテナが外れるのか!」と感心していたそうな。 「抜けたので差し込んでおいたけど!いけなかった??」とS社長。 当該プロポは双葉のFF8なので差し込んでから、しっかりとネジ込まねばなりません。 そう言えば他社のプロポを使ってる人がいて、しまう時にアンテナ外しており、社長が不思議に思わなかったのも無理もないかもしれません。 2人の真剣なやり取りは、その場にいた人々への漫才となり全員大笑いとなった次第です。 これが、S社長60歳、H氏61歳、その他全員含めて平均年齢48才を超える、れっきとした大人のクラブですから。 FF8のアンテナはしっかり締込み「めでたし」、「めでたし」になったことは言うまでもありません。

 社長は操縦のベテランと言いにくいので、こんな事があっても不思議ではないのですが、かなりの操縦の達人でも変な事してます。 スタント機の達人HRさんはグライダーを3機も持参してきました。昨日はくちばしが鳥のように尖ったグライダーをゴム紐で引き上げ、 そのまま畑に半円を描いて突入させたのです。原因はグライダー側のスイッチを入れ忘れたと言ってました。 ところが今日はそのグライダーが飛行場の中央に、くちばし部分全部を土にめり込ませて逆立ちです。またスイッチ入れ忘れかと思ったら、 今度は誤って別のプロポ(送信機)を使ってしまったそうです。 なにしろ、このグライダーのくちばしは、鶴のくちばしみたいに尖ってるから、土に突き刺さっても、 刺さて行く過程で衝撃が緩和されるので機体はまったく損傷していません。 まさか、その目的のために尖っているとは思いたくはないのですが。

 腰を落としてグライダーを拾い、歩いて、また腰を落としてゴムひもを拾い、こんな事を何十回もやるのです。20回に1回位、 運良くサーマルに遭遇すると、まさに未知との遭遇です。グライダーは勝手にぐんぐん上昇します。 サーマルから外れない様に急旋回スタイルで円を描いてもどんどん上がります。あまり真上に上昇するとこれ以上、 上を向けないと頚椎が悲鳴を上げます。すると仲間が椅子が必要かと助け船です。 かなり上空にいくとトンビのように大きな円を描いてゆったりと飛行できます。 サーマルを捕らえるまでの気持ちは、次ぎこそ成功させると、いそいそとパチンコ屋に向かう心境に似てます。 何度も行ったり来たりするところは、期待と失望の連続するパチンコそっくりです。違うのはパチンコは金がなくなるの対し、 グライダーは筋肉痛が残ることです。グライダーの先生は手投げでサーマルに乗せています。「鍛えれば慣れる」そうです。

4.飛行場の風景   
 ラジコン航空機の遊びは下の写真にある飛行場でやっています。手前は田んぼで、農道に入り、畑の中にあります。 飛行場と駐車場は元々は畑でしたが、その後ブタクサが茂り放置してあったのを、僅かな謝礼で農家から借り受けています。 こんな風景を第3者が道路を通過する車窓から見れば、確かに「いい大人が無邪気に遊んでる変な人達」に見えます。 あんな仲間に入るのは勇気が要りそうです。仲間に入ろうと思って、車で向かって行くと逆に奇異の視線を受けるかもしれません。 彼らは「見慣れぬ車だ、誰だろう?」と不審の目で貴方を見る事でしょう。 車を乗り着けて無言でいれば、相手も警戒します。そんな時は自分から声をかけて下さい。反応があるはずです。

 声のかけ方は何でもいいのです。貴方の気持ちを素直に表せばいいのです。例えば「見学させて下さい」とか、 「楽しそうですね!」とか、「難しいですか?」とか、「費用どの位かりますか?」、若しくは、「エンジンの音がうるさい」とか、 「ここでキャッチボールやってもいいか?」でもかまいません。実際、この飛行場は無人の時が多く、 そんな時は女子中学生が数人でバトミントンやったり、子供たちがキャッチボールに来たりすることもあります。 散歩にきた近所のお婆さんが我々の中に入り、ビールやワンカップ飲みながら一時を過ごす場面もありました。 犬の散歩に来る人達にも、極力挨拶を心がけます。そうこうするうちに犬の置き土産も少なくなっていくでしょう。

​ 

guraida.jpg
minayo.jpg
bottom of page