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​  ヘリコプターの特性

1.ヘリの特徴

 ヘリが空中でホバリングしている姿に見とれるのは子供に限ったことではないと思います。 鳥から飛行機を連想することは出来ても、ヘリを連想する事はないでしょう。 発明の歴史や開発経過はその道の人にまかせ、RCヘリに話しを戻します。
 RCヘリが何とか飛行しだしたのは約50年位前ではないかと思います。最近はプロポも優秀になり、 コンピュター採用が普通となりました。ヘリの方もテールの角度変化を検出制御するジャイロを始め、 各部分の機能、材質も向上し性能も優秀になりました。フレームも金属の他にカーボンファイバ素材の 強靭かつ軽量な物もあり、まさに、ハイテクの固まりみたいな高級模型も存在する時代です。

 ヘリは飛行機より実用化が遅かったことでも判るように、メカニズムが複雑になっており、 それに応じて調整個所も多くなっています。加えて、プロポのセッテッイング項目や操縦についても、 ヘリ特有の技術をマスターしなければなりません。けど、恐れることはありません。飛行機より優れた性能、 つまり目の前でゆっくりと浮上さたり、自分の前でホバリングしたりと、狭い場所でも練習可能です。 気をつけることは、エンジン騒音や安全性の問題から、人家のない田畑の真ん中とかの条件がつきます。 もちろん、他人の田畑に無断で入ってはいけませんので、これらの条件を満足する場所はかなり限られます。

 ヘリは空中でホバリングしたり、ゆっくり前進したり、後進もできます。また、左右への水平移動も 可能の他、定位置で機首を左右に振ったり、そのまま360度回転することもできます。 ヘリは上空でエンジンが停止すると飛行機の様に滑空できず、ズドンと落下すると思っていました。 ところが、降下中にロータのピッチを制御することでロータ回転を保ち、着地寸前に揚力を発生させ、 フワリと着地することができるのです。この方法オートローテションと称します。最も、 この操縦を安全に行えるようになるには、相当の操縦技術が必要になることは言うまでもありません。

 

2.機体構造と調整

 RCヘリの完成品を眺めると、ネジの数とギヤー、それにベアリングの多さが眼につくでしょう。また、 組み立てキットの箱を開けると、ずっしりと重い沢山のネジやベアリングに感心すると思います。最近は ほとんど組み立て完了状態のキットも発売されているので、取っ付きやすくはなっています。

 また、転倒防止の補助足も発売されているので、昔に比べれば破損させる危険は少なくなっています。良い 指導者がついてくれるなら、破損させずにホバリングをマスターすることもできるでしょう。

 キット組み立ての場合注意すべき事は沢山あります。マニュアルに従って組み立てましょう。失敗 しやすい事は、ネジの絞めつけ強さの問題があります。締めが弱ければ緩むし、馬鹿力でネジ切ったり、 ネジの頭をなめたりしない注意が必要です。締め付け強度は多少経験の積み重ねが必要な点です。 フレームや部品が樹脂でできている場合は締め付後、数日経過してからもう一度増し締めしましょう。 最初きつく締めても樹脂の変形で、数日後はガタガタに緩んでいる事もあります。 樹脂の初期応力変形が済んだ後に、ネジロック剤を用いて締め付ければ完全です。

 調整についても独学でやる場合は良く勉強し、安全には万全の注意を払って下さい。 私はほとんど独学でやって来たのですが、今思うとかなり危険な状態に陥った事もあり、 また多くの費用をつぎ込んでいます。最近は広くて、安全な場所は皆無と言えますので独学は難しいでしょう。 最初は必ず指導者にお願いし調整してもらった方が、安全であるし、破損回数も少なくて済みます。 ヘリは難しいと言っても自転車と同じく、楽しそうに飛ばしている方がたくさんいます。 普通の方なら皆マスターできます。別に構える必要はないのです、楽しみながら、 眺めながら少しずつマスターして行けば良いのです。ヘリは難しいと言うのは嘘です、 立って歩く事をマスターする事に似ています。きっと貴方もホバリング出来るでしょう。

 

3.初めての浮上

 調整してもらったヘリとプロポを渡され初めての挑戦です。エンコンをゆっくりと上げていきます。 ロータの回転が上がり風切音を発します。さらにじわじわとエンコンを上げるとロータは一層回転を増します。 ヘリの姿勢に注意しながら更に「ジワー」とエンコンを上げます。するとヘリは、ふらつきながら片側の足を浮かせます。 もしこのままエンコンを上げ続けると、大きく傾き、ロータが地面をたたき転倒してしまうでしょう。 早くスッテクを戻さないと、ヘリは七転八倒し、地面をころげ回ることになります。 一度転倒を経験した後は、修理費用がちらちらし、より慎重になります。すると以後の練習からは、 手の平に汗をかくほど緊張することに気付くでしょう。

 浮上しかかったヘリの傾きを修正するため、エルロンで補正する操作を加えます。 常にロータ回転面を水平に補正しつつ、エンコンを上げていきます。するとヘリのもう片方の足が 地面から離れるか離れないうちに、前後左右と勝手な方向に動き出します。 ヘリの動きを制止する方向へすばやく、当て舵を打たねばなりません。 ここで遅れを取ると自分の方に攻められたり、横にながれたりします。水平移動に驚いてエンコンを降ろすと、 足が地面に着き、急ブレーキと同じになって転倒することもあります。 たこの足の様な補助具は転倒防止に威力を発揮します。地面すれすれの高さのホバリングは、 地表で跳ね返る乱気流により前後左右にと大きく暴れます。地表より1m位に高度をとると、 乱流の影響は少なくなります。最初のホバリング練習は1mから1.5m以下の高度にしましょう。

 

4.ホバリング

 練習のかいあって何とかホバリングが出来た時は、風に気を付けねばなりません。 浮いた浮いたと気を抜いている時、サーと風が吹くかも知れません。その風は水平風であったり、 上昇風であったり、あるいは下降風であったりします。とたんにヘリは水平方向に流れるか、 いきなり上昇するか、もしくは急に降下します。ホバリング中は一瞬たりとも気を抜かずに、 機敏に上下、左右、前後にバランスをとる操縦が要求されます。

 赤ちゃんが立つ時には、前後左右のバランスを取れば良いのですが、ヘリはそれに上下が加わります。 ジャイロの性能が不十分ですと更に回転も加わります。普通は前後左右上下の6つの要素を、 瞬時にコントロールすることにより、空中に静止した奇麗なホバリングが可能になるのです。

 ホバリングが出来るようになれば、後は楽しみながら徐々に変化をつけます。 ヘリを左右に振りながら徐々に移動距離を大きくしていきます。そして、右に振る時は右を向け、 左に振る時は左を向ける練習をすると良いでしょう。充分操作できるようになるまでは、 間違っても自分の方に向けない事です。ヘリが自分の方を向くと、 鏡に写った自分の姿を見ながら食事するように、自分の操作に対するヘリの動きは、 前後左右反対になります。この状態を対面と言いますが対面でホバリング操縦することは、 さらに難易度が増します。

 練習当初は心臓ドキドキ、両手の平は汗びっしょりになります。偉そうに操縦技術を解いてる ベテランの皆さんも経験しているはずです。コンピュータゲームなら操縦ミスしてもゲームオーバ、 で済みます。RCヘリの場合は何万円もする機体が墜落大破し、修理に金がかかるのです。 真剣にならざるを得ないのです。

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