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​     初心者と機体

1.「練習機」で学ぶべき項目

 「練習機」で学ぶべき項目はたくさんあります。飛行機の簡単な原理と各部の働きを勉強して下さい。 また、エンジン、燃料、送信機、受信機、サーボ、リンケージ、電池等の基本項目も勉強が必要です。

 飛行に当たっては主翼のエルロン、水平尾翼のエレベータ、垂直尾翼のラダーが正常な方向に、適切な 量だけ作動するか確認します。エンジン始動前に電池の充電量を確認して下さい。次に燃料充填とエンジン の調整です。確認不足のまま離陸してしまい、エルロンの作動方向が逆だった、途中でエンジンが停止した、 電池切れになったというのは良く聞く話です。

 初めての人が失敗しやすいことにエンジンの取り扱いがあります。バイクや車のエンジンはスタート させれば良い様に調整してありますが、RCのエンジンは自分で調整するのが基本です。ニードルや スロー調整までは何とかできるでしょう。スロー回転も安定してるし、スロットル全開で最高回転数が 得られる様に調整します。ここまでは初めての方でもだいたい出来るのです。しかしそのまま飛行に入ると 数分の後にエンジンが停止するでしょう。車やバイクのエンジンでは経験の無いオーバーヒートを起こす のです。最も熟年を過ぎた方ならバイクのオーバーヒートなんて常識でしたからご存知と思いますが。

 最近の小型機は電動が多く墜落しても破損の少ない軽量な物が市販されており、昔に比べると非常に親しみやすくなっています。いずれにしても

​経験者に指導を仰ぐと良いでしょう。私が始めた頃はすべて独学で始めましたが、近くのラジコンクラブを探して行ってみると良いでしょう。お願いすればしばらくの間は、入会金や会費を免除してくれるかもしれません。
 

2.スケール機

 ジェットエンジンのスケール機もありますが、この辺は後の楽しみにして、第二次世界大戦当時の 戦闘機に人気があります。低翼の零戦、ムスタング、スピットファイアー、メッサーシュミット等、 きりがありません。また、高翼の実用機としてセスナ、ハイパーガブ、デカスロンなど。さらに、 複葉のタイガーモスやソッピーズ、そしてワコーアクロバットも良いでしょう。 自分の好きな機体に挑戦しましょう。ついでに、低翼、高翼、複葉の特性について少し説明します。


 2.1低翼機
 低翼の機体は見るからにすっきりとバランスがとれ、いかにも飛行機らしく私も好みです。が、がです。 実機位に大きければ問題無いのでしょうが、RC機はサイズが小さいうえに対空スピードが遅く、 横風の影響を大きく受けます。

 水平復帰する性能を持たせるための上反角を持つ主翼に横風が当たると、風上の翼は上に、 風下の翼は下に作用を受けます。強い横風ですと、いきなり機体がめくられるのではないかと思うほどの 外乱を受けます。この欠点を取り除くには上反角を少なくし、スタント機の様に平らな翼にすれば良いのです。 ただ、上反角のない「零戦」なんてみっともなくて作れませんけど。

 スケール機、特に戦闘機は車輪が主翼の下に2つです。申し訳程度に小さな尾輪はありますが、 機首に車輪がありません。「零戦」等は離陸の際に走りだすとプロペラ後流で左に向かおうとするので、 ラダーを右に当て打ち消さねばなりません。それと共に、プロペラで前方に引っ張られるので、 前のめり傾向になります。この力を打ち消す為にエレベータはアップの当て舵が必要です。 これらの当て舵も最初だけで、滑走スピードが上がるに従い戻さねばなりません。 いつまでもアップ引いてると離陸直後に失速したり棹立ちしたりします。

 上空飛行では横風の他に、旋回した時の落ち込みや横滑りが起き易い特性です。エルロンを切りバンク させると機体は降下するので、エレベータをアップにし降下を補正します。エレベータの補正量の調整が 練習機よりシビアーになります。もし、練習機と同じスピードでトロトロと、低速で飛ばしているとたちまち 失速し、「ぐら」と頭から巻き込み落下します。高速で飛ばしているかぎり、操縦者の意志に忠実に コントロール可能です。

 「零戦」等の「スケール機」は着陸が面倒です。かなり腕のあるスタント機の達人でも、ゼロ戦を 着陸させるとバウンドしたり、頭を地面に滑らせた状態で着地するほど難しいのです。前輪が欲しくなりますが、 前輪のある零戦は作りたくないし。そこは腕を磨くしかありません。着陸に当たってはエレベーターを アップにし、迎え角を大きくした姿勢にコントロールします。そして、十分にスピードに落とし、 車輪が地面をなめるように着地させる必要があります。着地後はスピードの減少に合わせエレベータを幾分 アップにします。滑走スピードが低下するに従いさらにエレベータをフルアップにし、ブレーキの補助と、 前のめりを防止します。舗装の滑走路で十二分の長さがあれば、もう少し気楽にやれるでしょうが、 私の飛ばしているところは、刈り込んである草原の滑走路ですので、前のめりになりがちなのです。

2.2高翼機
 高翼のスケール機は低翼の持つ欠点がほとんどありません。練習機の次に、 前輪のあるセスナをやる場合は大きな違いはないでしょう。 セスナなら低速飛行による失速巻き込み癖は戦闘機よりはるかに弱いので安心です。 デカスロン等は2車輪ですが、着陸時の速度は遅くてもよいので比較的楽です。

 ただ、2車輪の場合は着地前のエレベータをアップ気味にし迎え角を持たしておかないと、 頭をつく恐れがあります。高翼機は機体を地面に置いたまま主翼の着脱作業が出来る点も優れています。 他に取りたてて言うことはありません。強いて言うなら、こんな機体でスタント機と同等なパターンで 飛行させている方は相当のベテランです。

2.3複葉機
 写真や映画で見る複葉機は優雅に、軽やかに飛行しています。ところが模型となるとこれが複葉機の特性? と思う様な動きをします。確かに低速に対しては強いのです。が、飛行中は意外にコロコロしてるなと言う 感じがします。もちろん機体の大きさ、主翼の長さによる影響が大きいので、一概に比較は出来ません。 複葉機は2枚の翼があるため、相対的に翼が短くなっており、そう感じたのかもしれません。

 複葉機のスタイルはクラッシクであるし、アクロバットでも用いられるほど軽量で、運動性の良い 機体に仕上げる事ができます。しかし、運搬や飛行場での組み立て分解が面倒なのが難点です。 にわか雨の時など、皆さんはしまい終えたのに、自分だけずぶぬれで分解するはめになることもあります。

 

3.スタント機

 スタント機はRC機として独特のスタイルを形成しております。それは、こんな形の実機が無い事からも 予想できるでしょう。上反角のほとんどない主翼、翼長と同じ位の全長、実機に見られない胴体の細さ等 です。このスタイルはRC経験者による飛行テストの積み重ねで作りだされた機体です。ですから、 飛行性能は抜群です。離陸時に左に取られることもほとんどなく、上空での横風の影響も受けにくい機体です。 ほっといても勝手に真っ直ぐに飛んでいきます。着陸もスケール機の様に神経質にならなくてすみます。 たとえ2車輪でも頭を着くなんてことは、よほどの初心者でない限り起きません。素直に良く飛びます。 非常に優秀な機体になっています。

 こんなに優秀な機体ですから、背面飛行で急に落ち込んだり、ナイフエッジ飛行で大きく進路が変わる 事もなく、飛行特性の問題はほとんどありません。そこで次に求められるのが規定のパターンを正確に、 奇麗に飛行させる事へと進みます。いわば、RC飛行機によるフィギヤスケートやバレー、 新体操のごとく、操縦の難易度、正確度を競う方向へと進むわけです。この道に進むとスケール機などは 下手物に見えてきます。RC=操縦テクニックとなり、より良い飛行技術を得る為に練習に専念し、 機体もプロが製作した優秀なスタント機が欲しくなったりします。

 この頃になると、数万円の飛行機がいつしか50万円を超え、奇麗に塗装された芸術品かと思うような 飛行機になります。大きさも2m四方にもなり、機体には何万円もするスーツを着せて保護します。 自家用車もラジコン優先の車種となり、いつしか本人は「これでも日本人?」と思うほど真っ黒に 日焼けしながら、飛行テクニックを磨きます。

 

 4.アクロバティック機

 機体の特性はスタント機とスケール機の中間にあります。大きく異なるのは、大きな舵角の得られる エルロン、エレベータ、ラダーを見てのとうり、極めて運動性能の良い機体です。動きが激しいだけに 各部をしっかり作らないと翼が折れたりします。急激なスピンや引き起こしは機体に相当の力がかかり、 翼が折れることがあるので要注意です。飛行テクニックが語れるようになれば、このホームページは 卒業ですね。上級をめざして励んで下さい。

 実機のアクロバティック競技も開催されており、スケールマニヤとフライトマニヤの両方の期待を満足 させるため、最近はアクロバティック機に人気があるようです。 外国製の優秀な機体が安価に入手できるようになり、マニヤにとっては嬉しい限りです。 機体も無線機も優秀になり、それにつれて飛行技術も向上しています。

5.ドローン

 これもラジコンの内ですが飛ばすだけではすぐ飽きてしまいます。そこでレースに発展したり、空撮に発展したり、ゴーグルを用いた疑似飛行を体験したりします。

​更に凝りだすと改造したり、AI機能を搭載したりととどまることをしりません。

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