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    私のラジコンライフ
 東京新宿在住の53歳 K,N 職業=航空関係です(RCに関係ない)。私とRCの出会いは、 昭和34年にさかのぼります。東京のある模型店です。現在も営業しております。 小学校6年生の時です。元々飛行機、ヘリ等好きなので、ゴム動力のたけひご、バルサの飛行機、 ヘリコプターなどを作っており、ちょうどUコン機を始めフジ099エンジンと戦っているころでした。 初めて見たラジコン飛行機、当時記憶が定かではないですが、それは非売品のオーバーザレインボー号 KO15ディーゼル搭載だったと思います。目が点になつて、立ちすくんでいました。

 それからふっと我に返り、今度はそれをコントロールする送受信機を見ました、これを使えば、 いままでフリーフライトだった飛行機を自分のところに戻せる機械、子供心に信じられないという、 感激にも似たような感動をおぼえたことが、いまでも昨日の事のように思い出されます。 当時の機械は全部輸入品で、シングルチャンネルはチミトロン、送信機は真空管1本の電源は 130V前後だったと思います。受信機は、 たまたまトランジスタ方式のトーン検波方式が発売されたばかりでした。 値段はべらぼうに高く、15000円前後だったと記憶しています。それにまた、 エスケープメントも奇妙なものだなと思い、これでどんなことをするのかと不思議でした。

 また、マルチチャンネルはオービット10CHで、これは、家か、自動車が買える値段で確か、 30万円前後だったと思いますが定かではありません。あまりに高価なので逆に興味がなくなってしまったからでしょう。 それからというもの学校へ行っても、そのことが頭から離れず、ぼーとして先生に注意されたことも何度かありました。 それから私の人生の半分は、すると、しないとにかかわらずRCになってしまいました。

 ある意味不幸なことでもありましょうか。私は、それを見た日から、心の内に、決心をしていました。 「何がなんでも、死んでも必ず手に入れる」、執念とは恐ろしいもので、とうとう昭和37年の夏、 中学2年生の時、色々な過程を経て、私の両手の中に送信機がおさまっていました。 しばらく興奮で頭がおかしくなっていました。そのときの送信機はOSシングルチャンネルでした。 本当はチミトロンがほしかったのですが、その夢はかないませんでした。

 RC歴は今年で約40年になります。全国には「RCをやってみたい」、 と思っている人はまだまだ沢山いるのではないかとおもいます。しかし、 RCは日本の一般サラリーマンの給与に比較して、あまりに高価すぎるとおもいます。 これは、流通のしくみが関係しているのか、需要が少ないため単価がが高くなってしまう関係でしょうか? とくにヘリなどは、あまりに高すぎます。60クラスなどは30万円ぐらいかかると思います。

 30万円は、一般家庭の1ケ月の生活費に相当するお金です。また、30万あればちょつとした中古車 が買えてしまいます。そして、そのヘリがなにかの調子で、すぐ墜落してしまったら、 他人からみたらただ道楽者にしか写らなくなってしまうでしょう。 こんなに楽しい趣味であるのに残念な気がします。色々な機会に趣味の話がでますが、堂々とRCをしている と話す気になりません。というのも、大金のかかるおもちゃをいい年をしてと言われる可能性が大だからです。

 RCは金持ちの自営の方とか、医者とか、後先考えずにつぎ込む若者とか、 とかく世間のみる目がいまいちサラリーマン等にとって良くないように思います。 色々マナーの問題やら、飛行場の問題やらで、市民権が得られないという話をよく耳にしますが、 現状ではしかたのないことでありましょう。

 最近、青少年の凶悪犯罪や、低年齢化が目立ってきています。これも、受験競争や、 悪い情報、公共の良俗に反するものが入手しやすくなったこと、反社会的なゲーム、携帯電話の悪用、 等々数えあげればきりがありませんが、とにかく悪い方向へ向かっているような気がします。 その点、RCなどは、上手にやれば、技術の優劣に関係なく大変良い趣味であり健全なものであると思います。 価格が現在の1/2程度になれば、更に多くの方が取り組み易くなるのではとも思います。

 そういう意味ではインターネットは良い手段になっていくのではないでしょうか。 ただインターネットでお金儲けをしようとする人と、ごちゃまぜになってしまうので、 この問題がこれからの重要な課題になるでしょう。せっかく楽しいRCライフを楽しもうとしている人が、 インターネットを通して、例えば不良のRC製品を高いお金で買うことになったりとかして、 かくれ業者等にだまされたとしたら、残念でなりません。

 また、RCの宣伝等で、例えば、F3Cなど趣味の世界で誤解されている面などあると思います。 F3C選手権等などをしている人々は、全部とは言いませんがプロの人が多いと思います。 これらの方々はRCにより何らかの形で生活の手段を考えているか、あるいは、 現実にその世界の人であると思います。したがつて、趣味でRCをしていく人と、 区別して考えていく必要があるとおもいます。

 好きでF3Cをやっていくのは別に何の問題もありませんが。要は、そのようなものに惑わされると、 せっかくの楽しい趣味も、趣味でなくなってしまい、やたらオタク指向になってしまうからです。 素人としては、あくまでも、楽しい趣味の世界として位置づけ、そのような観点から、広報活動が必要と思います。

 また、RC技術の公開等は、例えば、自分が色々試行してみて大変良い結果があったとか、 そういう場合、おおいに全国のRCファンが公開してしていけたら更なる発展が望めそうです。 現在はその過渡期にあるようですね。

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